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貸借対照表の構造を知る(資産の部編)~ブロックシリーズ~

こんにちは!

ほたかです。

 

決算書(貸借対照表損益計算書)の仕組みがよく分からん!という方向けのシリーズです。

 

貸借対照表の構造について見ていきたいと思います。

へぇ、貸借対照表ってこういうものなんだ。

へぇ、貸借対照表ってこういう情報を載せている書類なんだ。

ということが理解していただけたら嬉しいです。

 

今回は、資産の部について見ていきます。

 

 

資産の部とは?? 

貸借対照表が3つのブロックに分かれているというのはよくご存じだと思います。

本とかでよく見る図です。 

 

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『左側が資産で、右側が負債と純資産で、、、』なんて書いてあります。

 

もう一歩突っ込みます!

 

 

資産の部って何を表したものだと思いますか?

 

 

『資産の内訳を載せたもの?』

うぅ~ん。資産の内訳なんだけど、正解は!

 

 

 

 

『現金が変身したものの内訳』

これが、資産の部の正体です。

 

現金だけじゃ経済活動はできないので、
現金をいろんなものに変身させて仕事をさせているのです。

 

わかったような、、、わからないような、、、

安心してください(^O^)

最後まで進んでいただくとその意味が分かるようになっています。

 

資産は、大切な大切なお金が変身したものです。だから、お金同様に資産も大切に有効に扱いましょうということをお伝えできればいいなと思います。

 

 

資産の部を覗いてみましょう

貸借対照表の左側である『資産の部』を見ていきます。

 

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資産の部には、こんな感じでいろんな資産が科目として載っています。

 

このうち、売掛金受取手形より上は支払手段としての性格を持っています。

在庫から下は商売道具としての性格を持ってます。

一般的な教科書とはちょっと違いますが、こんな風に考えた方が貸借対照表を捉えやすくなるのかなと思います。

 

 

 

売掛金受取手形の役目

 売掛金受取手形は、もうちょっとしたら現金になります。

で、その現金を使っていろんな支払いを行います。

だから、現金以外の売掛金受取手形も支払手段といえます。

 

そうすると、売掛金受取手形はただひたすらに無事に航海を終えてくれることを祈るばかりです。本来の役目はもう果たしています。現金になるまでもう一歩です。ここでつまづいたら、全てが水の泡です。

 

商売人にとっては、そんな気持ちにさせられる資産です。

 

回収のサイトが短ければ短いほどいいのは、こんなところに理由があります。もし、回収に半年とか1年かかるとしたらどうでしょう?1年先なんて、その取引先が存在しているか分かりません。もし、存在していたとしても1年間も売掛金受取手形のままであれば、支払いに使うという訳にも行きませんよね。

 

現金商売が一番!、それができなければ早期回収、これが航海を安全に確実に終わらせる方法ということになります!

 

自社の売掛君や受取手形君はの状態はどうでしょうか?

現金になって戻ってくるまで目を離さず、見守ってあげてくださいね(^O^)

 

 

在庫や固定資産の役目

資産の部には、現金、売掛金受取手形ときたら、その次に、在庫と固定資産が載っています。

これが商売道具です。彼らが富を増やす前線部隊です。

 

ここで気なるのは、彼らがしっかり仕事をしてくれているかどうかです。

 

 

従業員でも要領が良くて生産性の高い人、要領が悪くて生産性が落ちる人がいますよね。

 

在庫なら、売れ筋の商品がある一方で、売れ残る商品があるという感じです。

 

固定資産なら、稼働率の高い設備がある一方で遊休状態の資産もあるという場合です。ひどいケースだとそもそも収益を生まない様な資産が鎮座している場合があります。

 

収益性の低い資産の例

★土地

★自社ビル

★ゴルフ会員権

★高級車

★高スペックな設備

 

在庫や固定資産は、わざわざ現金が変身したものであるということを忘れてはいけません。変身したのならしっかり仕事をしてください。じゃなかったら、すぐに現金に戻ってもらいます。時間が経てばどんどん価値がさがりますから!

こんな気持ちにさせてくれる資産たちです。

 

資産の部をチェックする習慣を!

多くの中小企業の現預金残高は月商の1~2か月分ではないでしょうか。無駄に現金を資産化する余裕はほとんどの中小企業はないのが現状だと思います。

 

売上のチェックと同じくらい、資産の内訳にも目を光らせてください。

 

資産が不良化しないように目を配り、常に収益性と回収を考えるように運営していくと非常に引き締まった資産の部が出来上がっていきます。

 

 

資産の部の大きさに注目してみよう!

ここまで、資産の部の内訳について見てきました。

ここから、資産の部全体のことについて見ていきたいと思います。

 

農林水産業や製造業や建設業などのいわゆる一次・二次産業は、設備(商売道具)の規模は大きくなりますよね?

 

店舗を構えて商売をするスーパーも製造設備ほどではないかもしれませんが、店舗、倉庫、陳列棚など一定規模の設備を用意しないといけません。

 

一方で、最近ではフリーランスノマドワーカーなどパソコン一台で仕事をする人も増えてきました。こういう働き方をする人の設備は、パソコン一台で済みます。

 

『資産の部の大きさ』について考えてみると、業種・業界・働き方で随分と違うんだなというのが分かると思います。

 

(図)

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絵にしてみるとイメージがわきますよね。

資産の部の大小はこのように業種・業界・働き方によって、全然違う表情を見せます。

 

さて、ここで問題です!

資産の部の大小って何かに影響しているように思いませんか?

 

 

 

資産の部の大きさは売上に影響する!

資産の大きさ ≒ 売上の大きさ 

資産の部の大きさは売上と相関関係があることに気がつくと思います。

 

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フリーランスの人が1年間にあげる売上よりも、スーパーが1年間にあげる売上の方が大きいですよね。さらに大きいのが自動車会社となります。

 

資産の規模も段々とおおきくなります。

 

売上を大きくしていこうと思ったら、資産規模の拡大は避けられないということになります。

 

 

 

 

 まとめ

貸借対照表の資産の部をみてきました。

さっそく自社の貸借対照表をごらんいただければと思います。

 

質のチェックポイント

☑ 売掛金受取手形のサイトは適正だ

☑ 売掛金受取手形の中で回収が滞っているものはない

☑ 在庫の内訳、ボリュームは適正だ

☑ 売れない在庫は処分している

☑ 固定資産はすべて収益に貢献するもので構成されている

☑ 遊休状態の資産はない

☑ 現金預金は月商の2か月分は確保してある

 

量のチェックポイント

☑ 資産規模の拡大を目指す

☑ 資産規模の拡大は目指さない

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

損益計算書は馴染みがあっても、貸借対照表の馴染みは薄いかもしれません。

でも、貸借対照表のしかも資産の部だけでも色々とチェックする目線がありましたよね!これも慣れです。毎月、貸借対照表のそれも月次推移で確認するようにするといいでしょう。毎月の現金、売掛金、在庫などの推移が時系列に読めて改善ヒントや危機の兆候を知らせてくれます。