経営と会計
経営者にとって会計とはどんな位置づけでしょうか?
重要事項ですか?
それとも優先度は後ろの方でしょうか?
会計というものについて、
稲盛和夫氏が書籍のなかで、その重要性を説いています。
一代で大企業を築いた経営者の言葉として大変重みがあります。
『稲盛和夫の実学 経営と会計 日経ビジネス文庫』の前書きから少し引用してみたいと思います。
★まえがきより
もし、中小企業から大企業に至るまで経営に携わる者が、常に公明正大で透明な経営をしようと務めていたなら、また、企業経営の原点である「会計の原則」を正しく理解していたなら、バブル経済とその後の不況も、これほどまでにはならなかったはずである。私にはそう思えてならない。
おそらく1980年代初頭までの単純な右肩上がりの経済であれば、企業経営は前例に従うだけでよかっただろう。しかし、・・・(中略)・・・。この様な時代においては、経営者は、自社の経営の実態を正確に把握したうえで、的確な経営判断を下さなくてはならない。そのためには、会計原則、会計処理にも精通していることが前提となる。
ところが日本では、それほど重要な会計というものが、経営者や経営幹部の方々から軽視されている。会計と言えば、・・・(中略)・・・後追いの仕事でしかないと考えているのである。
また、中小零細企業の経営者の中には、税理士や会計士に毎日の伝票を渡せば、必要な財務諸表はつくってもらえるのだから会計は知らなくてもいい、と思っている者もいる。経営者にとって必要なのは、結果として「いくら利益が出たか」、「いくら税金を払わなければならないのか」ということであり、会計の処理方法は専門家が分かっていればいいと思っているのである。さらに、会計の数字は自分の都合のいいように操作できる、と考えている経営者さえいる。
・・・(中略)・・・
真剣に経営に取り組もうとするなら、経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければならない。損益計算書や貸借対照表のすべての科目とその細目の数字も・・・(中略)・・・会社の実態を100%正しくあらわすものでなければならない。なぜなら、これらの数字は、飛行機の操縦席にあるコックピットのメーターの数値に匹敵するものであり、経営者をして目標にまで正しく到達させるためのインジケーターの役割を果たさなくてはならないからである。
・・・(中略)・・・
本書は、私の考える経営の要諦、原理原則を会計的視点から表現したものであり、少し過激な表現ではあるが、「会計がわからんで経営ができるか」という思いで出版させていただいた。・・・(中略)・・・本書が「経営のための会計学」を真摯に学ぼうとする多くの方々に読まれ、より素晴らしい経営をするための一助となることを心から期待している。
・・・(中略)・・・
いかがでしょうか。
中小企業においては、自社の経営のために活用するというよりは税務署や金融機関に提出しないといけないから作成しているという意識の企業も多いと思います。
売上減少や利益減少に課題を感じている会社は、この様な意識を捨て、自社のためという意識で数字と向き合ってみるとことが業績改善への近道であるように思います。
実際の現場でも数字を丁寧に把握していくという事が業績向上、改善のためのスタートとなっていることがたくさんあります。
貸借対照表の構造を知る(純資産、負債の部編)~ブロックシリーズ~
こんにちは!
ほたかです。
貸借対照表の構造を知るということで、今回は純資産と負債について見ていきたいと思います。
純資産と負債はなんだ??
う~~ん、難しい。よくわかんないですよね。
純資産の中には、資本金と繰越利益剰余金があります。これを見てそんなお金がどこにあるんだ?と疑問に思われる経営者の方もたくさんいます。(金)てついているから、どこかお金を連想するんですよね。
純資産と負債・・・
『商売道具を用意するために準備したお金。』というと分かりやすいでしょうか(^-^;
だから、もうお金は商売道具に化けちゃっていて、べつに今そのお金が手元にあるわけではない。いくらお金を出してやったよ!という資金の出し手側の請求金額みたいなものが載っている。これが純資産と負債。
これで分かりますでしょうか?
たしかに、いつか純資産と負債に書いてある数字の金額をそのお金を出してくれた人に返さないといけないですからね。
違いを挙げるとしたらつぎのようになります。
負債(借入金)⇒ ちょっとずつでいいから借りた瞬間から返さないといけない。
耳を揃えて絶対に返さないといけない。
純資産 ⇒ 廃業するまで返さなくていい。
廃業時に返さなかったとしても許される。
この差は大きいですね(^-^;
片方はさっさと返し始めろという。
片方は商売やめるまで返さなくていいよという。
なんか両極端です(゚Д゚;)
経営するならどっちからお金を調達してきたいですか?
多分、みんな後者ですよね(^-^;
僕も後者のお金で商売をしたいです。
じゃ、何で銀行が存在するのか?
答えは簡単で、純資産による資金調達が難しいからです。
純資産の内訳は2つです。
①資本金
②繰越利益剰余金(税引後利益の累積)
創業時は、②なんてそもそもありません(>_<)
最初にぶっこむ資本金分しかお金はありません。
出資者を募ると言っても、基本誰も相手にしてくれません。
そうすると、もう選択肢が銀行しかないんですね。
『事業するのにお金が足りない人いますか?
必要な分だけ貸しますよ。その代わり明日から返済を始めてくださいねぇ。』
これが銀行です。もう借りたら、すぐに走り始めて成果をださないとあっというまに返済が滞ります。結構なプレッシャーですね(^-^;
事業を何年もやっていても、繰越利益剰余金がない会社は財務的には創業時となんら変わりません。繰越利益剰余金を蓄積していかないということが、どういうこといなるか今回の話しの中で分かってきたと思います。借入金を減らしたいなぁともしお考えなら、繰越利益剰余金をせっせと積んでいきましょう!
繰越利益剰余金は税引後利益の累積です。この累積がある会社は、税金を払ってきていますが、その変わり返済のプレッシャーから解放された資金で商売道具の調達に充てているのです。さらには、手元資金も潤沢になります。返済がないんだから、目標設定も低くて済みます。この低成長時代には繰越利益剰余金の蓄積こそが企業が長生きできる秘訣です。
自己資本比率なんて言葉を聞いたこともあると思います。純資産と負債のバランスはどんなもんかを示したものです。これまで見てきたように、返済のない純資産で事業をしていくほうが資金的にゆとりができます。資金的なゆとりがあるということは、時間的なゆとりがあるということになります。そして、その時間は次の経営を考える時間に使うことが出来ます。チャレンジ(リスク)もできます。
負債が多ければ、いくら稼いでも次から次へと返済があるので資金的なゆとりがありません。資金的ゆとりがないということは、経営を考える時間を取られることになります。チャレンジもできません。何でもかんでも負債で用意する、負債に頼るということをしていると長いトンネルから抜け出せなくなります。
自己資本比率、言葉はともかくこの概念は是非覚えてコントロールするようにしましょう。
ちょっと話はそれますが、
納税を回避するのがいいか?
それとも、繰越利益剰余金を溜めて返済から解放されるのがいいか?
もし節税が頭をよぎったときは、このように自問してみるといいですね。
話しにまとまりがなかったので、最後にまとめたいと思います。
①純資産と負債は、商売道具を用意するための調達手段の記録である。
②純資産と負債は、その返済のタイミングが異なる。
③純資産で、用意できるならしたほうが後々が楽。
④負債で、用意したら返済をしないといけないので気が抜けない。
⑤純資産と負債とのバランス次第で気持ちのゆとりが違ってくる。
貸借対照表の構造を知る(資産の部編)~ブロックシリーズ~
こんにちは!
ほたかです。
決算書(貸借対照表と損益計算書)の仕組みがよく分からん!という方向けのシリーズです。
貸借対照表の構造について見ていきたいと思います。
へぇ、貸借対照表ってこういうものなんだ。
へぇ、貸借対照表ってこういう情報を載せている書類なんだ。
ということが理解していただけたら嬉しいです。
今回は、資産の部について見ていきます。
資産の部とは??
貸借対照表が3つのブロックに分かれているというのはよくご存じだと思います。
本とかでよく見る図です。

『左側が資産で、右側が負債と純資産で、、、』なんて書いてあります。
もう一歩突っ込みます!
資産の部って何を表したものだと思いますか?
『資産の内訳を載せたもの?』
うぅ~ん。資産の内訳なんだけど、正解は!
↓
『現金が変身したものの内訳』
これが、資産の部の正体です。
現金だけじゃ経済活動はできないので、
現金をいろんなものに変身させて仕事をさせているのです。
わかったような、、、わからないような、、、
安心してください(^O^)
最後まで進んでいただくとその意味が分かるようになっています。
資産は、大切な大切なお金が変身したものです。だから、お金同様に資産も大切に有効に扱いましょうということをお伝えできればいいなと思います。
資産の部を覗いてみましょう
貸借対照表の左側である『資産の部』を見ていきます。

資産の部には、こんな感じでいろんな資産が科目として載っています。
このうち、売掛金・受取手形より上は支払手段としての性格を持っています。
在庫から下は商売道具としての性格を持ってます。
一般的な教科書とはちょっと違いますが、こんな風に考えた方が貸借対照表を捉えやすくなるのかなと思います。
売掛金や受取手形の役目
で、その現金を使っていろんな支払いを行います。
そうすると、売掛金や受取手形はただひたすらに無事に航海を終えてくれることを祈るばかりです。本来の役目はもう果たしています。現金になるまでもう一歩です。ここでつまづいたら、全てが水の泡です。
商売人にとっては、そんな気持ちにさせられる資産です。
回収のサイトが短ければ短いほどいいのは、こんなところに理由があります。もし、回収に半年とか1年かかるとしたらどうでしょう?1年先なんて、その取引先が存在しているか分かりません。もし、存在していたとしても1年間も売掛金や受取手形のままであれば、支払いに使うという訳にも行きませんよね。
現金商売が一番!、それができなければ早期回収、これが航海を安全に確実に終わらせる方法ということになります!
自社の売掛君や受取手形君はの状態はどうでしょうか?
現金になって戻ってくるまで目を離さず、見守ってあげてくださいね(^O^)
在庫や固定資産の役目
資産の部には、現金、売掛金、受取手形ときたら、その次に、在庫と固定資産が載っています。
これが商売道具です。彼らが富を増やす前線部隊です。
ここで気なるのは、彼らがしっかり仕事をしてくれているかどうかです。
従業員でも要領が良くて生産性の高い人、要領が悪くて生産性が落ちる人がいますよね。
在庫なら、売れ筋の商品がある一方で、売れ残る商品があるという感じです。
固定資産なら、稼働率の高い設備がある一方で遊休状態の資産もあるという場合です。ひどいケースだとそもそも収益を生まない様な資産が鎮座している場合があります。
収益性の低い資産の例
★土地
★自社ビル
★ゴルフ会員権
★高級車
★高スペックな設備
在庫や固定資産は、わざわざ現金が変身したものであるということを忘れてはいけません。変身したのならしっかり仕事をしてください。じゃなかったら、すぐに現金に戻ってもらいます。時間が経てばどんどん価値がさがりますから!
こんな気持ちにさせてくれる資産たちです。
資産の部をチェックする習慣を!
多くの中小企業の現預金残高は月商の1~2か月分ではないでしょうか。無駄に現金を資産化する余裕はほとんどの中小企業はないのが現状だと思います。
売上のチェックと同じくらい、資産の内訳にも目を光らせてください。
資産が不良化しないように目を配り、常に収益性と回収を考えるように運営していくと非常に引き締まった資産の部が出来上がっていきます。
資産の部の大きさに注目してみよう!
ここまで、資産の部の内訳について見てきました。
ここから、資産の部全体のことについて見ていきたいと思います。
農林水産業や製造業や建設業などのいわゆる一次・二次産業は、設備(商売道具)の規模は大きくなりますよね?
店舗を構えて商売をするスーパーも製造設備ほどではないかもしれませんが、店舗、倉庫、陳列棚など一定規模の設備を用意しないといけません。
一方で、最近ではフリーランス、ノマドワーカーなどパソコン一台で仕事をする人も増えてきました。こういう働き方をする人の設備は、パソコン一台で済みます。
『資産の部の大きさ』について考えてみると、業種・業界・働き方で随分と違うんだなというのが分かると思います。
(図)

絵にしてみるとイメージがわきますよね。
資産の部の大小はこのように業種・業界・働き方によって、全然違う表情を見せます。
さて、ここで問題です!
資産の部の大小って何かに影響しているように思いませんか?
資産の部の大きさは売上に影響する!
資産の大きさ ≒ 売上の大きさ
資産の部の大きさは売上と相関関係があることに気がつくと思います。

フリーランスの人が1年間にあげる売上よりも、スーパーが1年間にあげる売上の方が大きいですよね。さらに大きいのが自動車会社となります。
資産の規模も段々とおおきくなります。
売上を大きくしていこうと思ったら、資産規模の拡大は避けられないということになります。
まとめ
貸借対照表の資産の部をみてきました。
さっそく自社の貸借対照表をごらんいただければと思います。
質のチェックポイント
☑ 在庫の内訳、ボリュームは適正だ
☑ 売れない在庫は処分している
☑ 固定資産はすべて収益に貢献するもので構成されている
☑ 遊休状態の資産はない
☑ 現金預金は月商の2か月分は確保してある
量のチェックポイント
☑ 資産規模の拡大を目指す
☑ 資産規模の拡大は目指さない
いかがでしたでしょうか?
損益計算書は馴染みがあっても、貸借対照表の馴染みは薄いかもしれません。
でも、貸借対照表のしかも資産の部だけでも色々とチェックする目線がありましたよね!これも慣れです。毎月、貸借対照表のそれも月次推移で確認するようにするといいでしょう。毎月の現金、売掛金、在庫などの推移が時系列に読めて改善ヒントや危機の兆候を知らせてくれます。
債務超過とは?
こんにちは!
ほたかです。
今日は『債務超過』について見ていきたいと思います。
債務超過ってなんのことだか、分かりますか??
・聞いたことないなぁ
・言葉だけなら知っている
・すげぇヤバいやつでしょ!
いろんな方がいらっしゃると思います。
貸借対照表のとある状態を指しているんですけど、
絵にした方が分かりやすいのでご覧ください↓↓

こういう状態です(^-^;
分かりますでしょうか??
正常の場合は、
資産 = 負債 + 純資産 となります。
式を次のように変えることもできますよね。
資産 - 負債 = 純資産
つまり会社を処分した後に、プラスの正味財産が残っている状態です。
債務超過の場合は、
負債 - 資産 = 純負債 となります。
純負債なんて言葉はありませんが、言葉として分かりやすいので一時的に造語を使わせていただきます。
これは、会社を処分した後に、負債しか残らない状態です。
これが債務超過です。
『うん。で?』
『何が大変?別に会社たたむつもりないし。』
いや~~~(^-^;
すごい大変ですよ!
だって負債ってことは、来月とかに支払が来るんですよ!
資産が全部現金だとしても、返せない状態なのに、資産の中身には売掛金や在庫や固定資産や保証金や保険積立金や・・・いろんな支払いに使えない資産があるんですよね??なけなしのキャッシュで、迫りくる負債の支払・返済に対応しないといけないんです!
もう事業どころじゃなくなりますよね、、、
どうやって今月の支払い、返済を行おうか・・・本業じゃないそんなことに頭を悩ますことになるんです。
債務超過という嵐のすごさがわかっていただけたと思います。
似たようなものに、過小資本というのがあります。
債務超過よりさらにマイナーな言葉ですね(^-^;
上の記事で書いたような、純資産が少なくて、負債が多いという状態が過小資本です。
債務超過ではないけど、その一歩手前、いつ債務超過になってもおかしくない状態のことをいいます。状況はほぼ債務超過と同じです。負債の支払・返済に追われる状態になります。
さらにさらに、実質債務超過というのもあります。決算書上はちゃんと純資産がプラスで債務超過ではないんだけど、貸借対照表をよく見ると資産価値のないものが計上されていて、これらを考慮すると実質的には債務超過だよね。というケースです。
よくあるのは、実態を反映していない在庫、回収不能な売掛金、時価の下落した土地、先代の時代から残ってる内容の分からない資産等々です。これらを考慮すると債務超過になるケースが結構見受けられます。
中小企業は、債務超過、過小資本、実質債務超過のケースが少なくありません。
自社の貸借対照表はどのような状況でしょうか??
この先、長く安定した経営を実現していくためには1円でも多く資産超過となるようにしたいものですね!
決算書はパズルだ②!!
こんにちは!
ほたかです。
『決算書はパズルだ!!』で決算書は、
6つのピースで構成されていている書類ですよ。
一つ一つの細かい数字を見るという意識ではなくて、
かたまりとして見ていけばいいんだよということを書かせていただきました。
今回は、もう少しこのことを掘り下げていきたいと思います。
※6つのピース
★売上 ★経費 ★利益
★資産 ★負債 ★純資産
金融機関や会計事務所の人間など日ごろから、試算表・決算書に慣れ親しんでいる人は、これらの書類に最初に目を通す時は、6つのピースのバランス、変化をざっくりと確認しています。
ある程度当たりをつけるという感じです。
その上で、変だなとか異常だなとかと思えば、そのタイミングで気になるところにフォーカスしていきます。最初っから当たりもつけずに、いきなり細かい数字を見る金融機関や会計事務所の人間がいたらセンスがないなということになります。
どういうことか見てみましょう!
例えば、次のような会社があるとします。
みなさんはどう思われますか?
もし自分がこの会社の経営者からお金を貸してほしいと言われたら貸しますか?

損益計算書の情報は載せていないので、この会社が黒字なのか赤字なのかは分かりません。ただ、仮に黒字であったとしても負債が多すぎますよね。会社の資産のほとんどを負債で賄っています。常に返済に追われているということになります。一般的には資金繰りが厳しいケース(現金量が少ない)が多いです。この状態が悪化するとすぐに債務超過に陥ります。
ここの会社の大きな問題は、負債と純資産のバランスが悪いということです。なので、この会社が考えることは、『負債と純資産のバランスを改善させるためにはどうしたらいいか?』ということになります。
ここで問題です。
負債と純資産のバランスを改善させるためにはどうしたらいいでしょうか?
↓ 答え
①負債を減らす
負債が減れば、純資産に変動がなくてもバランスは改善しますよね。
②純資産を増やす
純資産を増やせば、負債がそのままでもバランスは改善しますよね。
6つあるピースのうち、負債と純資産のピースのバランスが悪いわけです。
どう悪いかと言うと、負債が多くて、純資産が少ない。
したがって、負債を減らす方法を考え、純資産を増やす方法を考えるということになります。
①を図にしてみました。

図でご覧いただくと分かりやすいですね。
純資産が変わらなくても、負債が減れば頭でっかちだったバランスが改善していることが分かります。
ここで一つ気が付かれたと思います。
負債が減った代償として、資産も減っているということです。
考え方としては、負債が重いので不要不急な資産を処分してお金に換えて、それを返済原資に充てたという理屈になります。
このやり方は、大手企業でもよく見られます。よくニュースで『A社が本社ビルを売却』というの見ると思います。これは本社ビルやその土地という資産を処分して、負債の圧縮を行ったということです。
これには大事なメッセージが隠れています。
『借金してまで買う必要があるのか。よくよく考えて買え!』
②を図にしてみると次の通りとなります。

この場合は①の様に、資産を処分するという『痛み』を伴わなくてすみます。負債の削減を純資産の増加で行っているので、資産を処分する必要がないからです。ただし、これは難易度が非常に高いと思います。純資産が『何か?』その正体を知っていれば、その難しさが分かります。
↓ 純資産とは
純資産といえば、その会社の過去からの税引後利益の蓄積です。なので、純資産を設立年数で割るとそれがその会社の平均的な利益力に近似します。例えば、設立10年の会社で、負債が10億円、純資産が1億円という会社があったとします(結果的に、資産は11億円になります)。この場合この会社の平均的な税引後利益は1000万円ということになります。そのような会社がこの10億円の借入金を純資産の増加だけで削減していこうと思ったら何年かかるでしょう?10億円÷1000万円=100年です。ちょっと現実的ではないですよね(^-^;
現実的には、両方の折衷案で改善策を立てていくことになります。不要な資産は処分し、アベレージ1000万円の利益をなんとか1200万円、1500万円にしていくことを考えることで、負債と純資産のバランスを改善していくケースが多いと思います。
いかがでしたでしょうか?
数字が苦手でもあんまり関係なかったと思います。
今回は★資産、★負債、★純資産という3つのピースで見ましたが、このかたちがいびつであることは直感的にもお分かりいただけたと思います。
自社の決算書・試算表を見る時も、
今回の様に各ピースの比率でボックスを書いていくと直感的に会社の課題を拾うことができると思います。
そんな風に本来のあるべき理想とのギャップというものが見えてくれば、そこへ向けて改善策を立て実行していくということで会社の経営が改善・安定していきます。
裏を返せば、何かの意思決定をするときには、自社の損益計算書や貸借対照表の6つのピースに無理な歪みが生じないか十分に考えてから意思決定を行うということが大切になるということでもあります。
是非、自社の決算書・試算表をそんな風に眺めて見てください!
ボックスの書き方については、別の機会に書きたいと思います。
決算書はパズルだ!!
こんにちは!
ほたかです。
個人的なことですが、
僕の名刺の背景はパズルになってます。
決算書は数字じゃないよ!
パズルなんだよ!
という思いを込めて作りました。
今回は、その決算書はパズルなんだよ!ということを熱く語ってみたいと思います(^O^)
数字が苦手とされている方の心が少しでも晴れたらなと思います。
それでは、早速と行きたいところですが、 ちょっとその前に・・・
新聞ってどうやって読んでいますか?
一字一句読んでいますか?
ほとんどの人が、パッとかたまりで文章を拾いながら、読み進めていると思います。
極端な場合、見出しを読んで文章はサラ~と読んでいる場合もありますよね。それでも記事の意図は伝わりますよね。
では、、、
英文はどうやって読んでいますか?(読んでいましたか?)
僕は、単語・単語を読んでいました(^-^;
下手をしたら、単語のスペルを読んでいました・・・
途中で、この『in』とあの『into』はどう違うんだ?
とかもういろんなことに突っかかりながら勉強をしていました。
超超、英語アレルギーでした。
そして、英語コンプレックスの塊になりました。
今でも、英字を見ると頭痛がします。
英語が苦手だった人にはお分かりいただけると思います(笑)
それでは、
決算書ってどんな風に読んでいますか?
前置きが長くなりました。
それでは、決算書はどんな風に読んでいますか?
新聞でも眺めるようにふわぁと読んでいますか?
それとも、英文を読む時の僕の様に、
力を入れて目を凝らして読んでいますか?
数字アレルギーの人は、もうただの数字の塊りにしか見えませんよね(^-^;
だから、何なんだっ!? という気持ちにもなるかもしれません。
でも意外と決算書の切り口はそんなに多くありません。
だから、決算書を嫌いにならないでくださいm(__)m
お客様によく伝えていますが、子供の時に自転車の練習をした時と同じくらいの努力で身につきます(^o^) 是非、頑張って乗り越えましょう。
決算書はどんなパズル??
で、決算書はどんなパズルかというと、
★売上
★経費
★利益
★資産
★負債
★純資産
この6つのピースしかないパズルです。
しかし、この6つのピースの大きさは、常に変化しています。
正常に変化していれば問題ないのですが、いびつに変化していれば対策をとる必要が出てきます。このかたちがいびつになることを業績悪化、債務超過、倒産等といいます。
黒字倒産なんていうのは、このいびつさが倒産という最悪の状態に至った最たるものです。利益は出ていたのに倒産という事は、売上、経費、利益のピースは良かったのでしょう。ところが資産、負債、純資産のピースに問題があった。決済のための現金不足、回収の滞った売上債権、過大債務などにより倒産に至ったということです。
この様な状況にならないために、各ピースの変化を総合的に見極めて、常に適正・正常な状態であるように対策をとるのが経営者の役割の一つになります。
具体的にどういうことかイメージしてみると次の通りです。
売上が増大し、経費が削減された。 ⇒ 利益が増えた。OK。
資産が増大したが、負債も増大した。 ⇒ 自己資本比率低下。大丈夫か?
利益が増大したが、現金は増加せず。 ⇒ 売上債権の回収は大丈夫か?
などなど。
こんな風に現状の会社を確認し、社内で対応できるのであれば課題に取り組み、必要に応じて、外部から専門家を招集して課題解決に取り組むという事になります。
いかかでしたでしょうか?
6つのピースの変化について理解できるようになると、会社の状況がいい方向に行っているのか、問題があるとしたらどのピースに問題があるのかが分かるようになります。そうすると取り組むべき方向がはっきりしてきます。
〇〇率という財務分析の指標が沢山あります。決算書にも沢山の勘定科目と数字が並んでいます。ここからもいろんな情報が拾えることは否定しません。ただ、数字に苦手意識のある方は、この6つのピースの変化を意識してみることで今までとは違った景色が見えてくると思います。
すごいぞ。純資産の部!!
こんにちは!
ほたかです。
今回は、『純資産の部』について考えてみたいと思います。
以前は、『資本の部』と言われていました。

絵にするとこんな感じです!
貸借対照表の右下にあたる部分が純資産の部と言われるところです。
会計が苦手な人にとっては、
最もとっつきにくいところになると思います。
でも、会社を安全運航させていくための秘訣が
純資産の部に隠れているのでここは是非理解していきましょう!!
純資産の部のお話しの前に、
さらっと貸借対照表についておさらいをしておきたいと思います。
貸借対照表は、
資産の部、負債の部、純資産の部の3部構成ですが、
それぞれが何を表しているかというと次の通りです。
- 資産の部 ⇒ 現金などの支払手段と固定資産などの商売道具が記載されている
- 負債の部 ⇒ 足りない現金や固定資産を購入するのに自力で用立てることが
出来なかった分が記載されている。
経営がしんどくてもキャッシュアウト(返済)が発生する。
もしものときでも、返済義務がある。 - 純資産の部 ⇒ 資産と負債の差額。
会社が清算した時に分配されるであろう金額が記載されてい
る。黒字になれば増え、赤字になれば減る。キャッシュアウト
を強制されない。もしものときは、分配を免れる。
こんな特性のある三者です。
資産の部は、現金などの支払い手段や商売道具が記載されているわけです。
商売をするのに必要だから準備したものですよね。
そうすると、会社としてはずっとこれをキープしておきたいということになります。(ここでは、減価償却の考えは横においておきます)
イメージで表すとこんな感じになります↓↓

どうですか?
資産の部からしたら、この形をキープするのがベストになりますよね。
支払いに使う現金が減っても、商売道具が無くなっても困るわけですから(^-^;
次に貸借対照表の右側ですが、
こちらは負債の部と純資産の部の2階建てなのでセットで見てみたいと思います。
負債の部はキャッシュアウトが強制で、
純資産の部はキャッシュアウトが強制でないということなので
時間の経過とともにどのように変化するのか見ていきましょう。
3つのパターンで見ていきます。
★純資産の部が一定の場合
(収支がトントンの場合)

収支がトントン。つまり黒字でも赤字でもない状況です。
税引後利益がゼロという状況です。
中小企業では納税を避けるために、 利益が出ないようにする行為がよく行われます。
税引後利益が増えないと、純資産の部が増えも減りもしません。(※)
一方、負債の部(借入金)は、黒字でも赤字でも関係ありません。
会社の業績に関係なく返済は進むので、負債の部はどんどん目減りしていきます。
2階部分は減少、1階部分は増減なし。
そすると、資産の部は当初の規模を維持できません。
具体的にイメージすると、借金の返済分だけ現金が減っている状態です。
ここから分かることは、金融機関への返済がある場合において、会社が利益を出していないと会社はその分だけ資産の処分(減少)を強いられることになるということです。
それは短期的には手元現金の減少を意味し、中長期的には固定資産売却による資金調達を強いられるという事になります。
ここで疑問があるかもしれません。
「うちは、返済はあるけど、利益出ていないよ。それでも、固定資産の売却をしてまで資金を工面したことはないよ。たしかに現金は減っていくけど・・・」と。
現実の世界では、純資産が一定、負債は減っていくという場合において、資産の部の規模を維持するために、減った分だけの負債を増やしているんです。
返済しながら、借入をしているという状況といえます。
半分くらい返済したところで、当初借入金額で借りなおす。
借金がなかなか減らない、中小企業によくあるケースだと思います。
★純資産の部が増加している場合
(黒字の場合)

2つめのケースは、純資産の部が増えているケースです。
毎期、黒字(税引後利益がプラス)を出している状況と言えます。
上の例でも説明しましたが、負債の部は会社の業績に関係なく減っていきます。
このイメージ図を眺めてみると、純資産の部の増加と負債の部の減少が一致しています。それにより、当初の資産の部の規模をキープできている状態です。
貸借対照表の均衡が保たれている状態といえます。
このイメージ図から読み取れることは、
借入金の返済をしている会社は、黒字経営が必須ということです。
★純資産の部が減少している場合
(赤字の場合)

3つ目のケースは、赤字経営のケースです。
赤字経営ということは、純資産の部が減少している状態です。
負債の部は、会社の業績に関係なく減少していきます。
借金をしていて、赤字であるということは、
貸借対照表右側の1階部分と2階部分の両方が縮小している状況です。
収支がトントンの場合は、1階部分はキープされていて、
2階部分だけが縮小している状況でした。
赤字の場合は、ダブルで縮小していきます。
資産の部は、縮小圧力に泣けてきそうです(^-^;
資産の部は、支払手段たる現金と商売道具たる固定資産で構成されています。
まさに大切な資産です。
これがなければまともに商売が継続できません。
借金を抱えていて、赤字経営という状況がどのくらい深刻な状況であるか想像していただけたと思います。
赤字経営の状態での、借金は首を更に絞める!!
赤字になると銀行借入をお願いする中小企業は少なくありません。
何故、赤字になると借入金をするのか?
赤字でお金が無いから借りるというのは、表面的なことであり、
本質的には、純資産が目減りすると、負債を増やさないとやっていけないから、
ということがこれまでのなかでご理解いただけたと思います。
簡単に整理すると、こんな感じです↓↓
赤字 = 純資産の部が減少 ⇒ でも資産の部(左側)はキープする必要がある ⇒ 純資産で維持できないなら、負債で維持しよう
それから1年・・・
また赤字だった ⇒ さらに純資産の部が減少 ⇒ やっぱり資産の部はキープしたい
⇒ じゃ、今年も純資産が減った分だけ負債で賄おう
これを繰り返していくと、どんどん負債の比重が高くなります。
負債は、会社の業績に関係なく減っていくのは上述の通りです。
負債が多くなれば、目減りスピードは大きくなります。
負債の部の強制的な減少を補うのが、純資産の部の本来の役目なのに、
赤字経営はその純資産が足を引っ張ているのです。
借入金をしなければならなくなった原因(赤字の原因)の対策を立てることなく、早々に借入をすると立て直しのチャンスを失ってしまいます。
何故かお金が入ると、そのお金が借りてきたものであり、いつか返さなきゃいけないものであっても気がゆるんじゃうんです。
変わらなければ何も変わりません。
中小企業の赤字の原因は、収益力の影響もさることながら、
『どんぶり経営、公私混同経営』の影響が多いにあると認識しています。
納税に対する嫌悪感が根底にあるのだと思います。
『どうせ取られるなら、使っちゃえ』
こういう気持ちから、どんぶり経営、公私混同経営が生まれているのだと思います。
そこで、歯車が少しずつ狂い始めるわけです。
とくに、この右肩下がりの時代においては、、、
まずは、節税なんて言葉を忘れることです。
黒字化するマインドが無くなるからです。
赤字癖になると言ってもいいかもしれません。
『税金は払いたくない、でもお金はいるから銀行にお願いしぃ~よぉと。』
こんな考えでは、負のスパイラルまっしぐらです。
節税の前に節約をしてください。
とにかく無駄な経費など使わずに、純資産の部を最大化することを意識する。
これは、経営者の視点が変われば可能です。
損益計算書視点の経営から、
貸借対照表視点の経営へチェンジするだけです!!!!
純資産の部は、貸借対照表にあります。
加えて、経営者が気にかけるキャッシュ・借入金という情報も
貸借対照表に載っています。
この純資産の部、あるいは貸借対照表を意識して、
これをどう最適値にコントロールするかという意識付けができれば、
必ず今までとは異なる意思決定が行われます。
損益計算書視点の経営は、
非上場のオーナー企業である中小企業には弊害しかないように思います。
上場企業であれば、気になるのは黒字額。
非上場の中小企業だと、気になるのは納税額。
スタートラインで向いている方向が反対で、
スタートの合図とともに反対に向かって走っているのが両者なんです。
これでは、差が開く一方です・・・
上場企業であれば、損益計算書を見ていても黒字最大化(純資産の部の増加)の意識が働きます。株価に影響するので当然と言えます。(これはこれで、粉飾という誘惑にかられますが)
中小企業となると上場企業と反対で、納税が嫌で黒字幅縮小化に奔走になります。結果、いつまで経っても貸借対照表が安定しない。負債に頼りきりになる。やがて、その負債が重しの様になって苦しめられる・・・。貸借対照表を意識して最善策をとっていればこんなことにはならないはずです。
こんなことから、月次報告を受ける時、決算書を読む時には、貸借対照表の状態や変化をじっくりと読むようにしてみてください。今までとは変わった気づきが得られますよ。