決算書はパズルだ②!!
こんにちは!
ほたかです。
『決算書はパズルだ!!』で決算書は、
6つのピースで構成されていている書類ですよ。
一つ一つの細かい数字を見るという意識ではなくて、
かたまりとして見ていけばいいんだよということを書かせていただきました。
今回は、もう少しこのことを掘り下げていきたいと思います。
※6つのピース
★売上 ★経費 ★利益
★資産 ★負債 ★純資産
金融機関や会計事務所の人間など日ごろから、試算表・決算書に慣れ親しんでいる人は、これらの書類に最初に目を通す時は、6つのピースのバランス、変化をざっくりと確認しています。
ある程度当たりをつけるという感じです。
その上で、変だなとか異常だなとかと思えば、そのタイミングで気になるところにフォーカスしていきます。最初っから当たりもつけずに、いきなり細かい数字を見る金融機関や会計事務所の人間がいたらセンスがないなということになります。
どういうことか見てみましょう!
例えば、次のような会社があるとします。
みなさんはどう思われますか?
もし自分がこの会社の経営者からお金を貸してほしいと言われたら貸しますか?
損益計算書の情報は載せていないので、この会社が黒字なのか赤字なのかは分かりません。ただ、仮に黒字であったとしても負債が多すぎますよね。会社の資産のほとんどを負債で賄っています。常に返済に追われているということになります。一般的には資金繰りが厳しいケース(現金量が少ない)が多いです。この状態が悪化するとすぐに債務超過に陥ります。
ここの会社の大きな問題は、負債と純資産のバランスが悪いということです。なので、この会社が考えることは、『負債と純資産のバランスを改善させるためにはどうしたらいいか?』ということになります。
ここで問題です。
負債と純資産のバランスを改善させるためにはどうしたらいいでしょうか?
↓ 答え
①負債を減らす
負債が減れば、純資産に変動がなくてもバランスは改善しますよね。
②純資産を増やす
純資産を増やせば、負債がそのままでもバランスは改善しますよね。
6つあるピースのうち、負債と純資産のピースのバランスが悪いわけです。
どう悪いかと言うと、負債が多くて、純資産が少ない。
したがって、負債を減らす方法を考え、純資産を増やす方法を考えるということになります。
①を図にしてみました。
図でご覧いただくと分かりやすいですね。
純資産が変わらなくても、負債が減れば頭でっかちだったバランスが改善していることが分かります。
ここで一つ気が付かれたと思います。
負債が減った代償として、資産も減っているということです。
考え方としては、負債が重いので不要不急な資産を処分してお金に換えて、それを返済原資に充てたという理屈になります。
このやり方は、大手企業でもよく見られます。よくニュースで『A社が本社ビルを売却』というの見ると思います。これは本社ビルやその土地という資産を処分して、負債の圧縮を行ったということです。
これには大事なメッセージが隠れています。
『借金してまで買う必要があるのか。よくよく考えて買え!』
②を図にしてみると次の通りとなります。
この場合は①の様に、資産を処分するという『痛み』を伴わなくてすみます。負債の削減を純資産の増加で行っているので、資産を処分する必要がないからです。ただし、これは難易度が非常に高いと思います。純資産が『何か?』その正体を知っていれば、その難しさが分かります。
↓ 純資産とは
純資産といえば、その会社の過去からの税引後利益の蓄積です。なので、純資産を設立年数で割るとそれがその会社の平均的な利益力に近似します。例えば、設立10年の会社で、負債が10億円、純資産が1億円という会社があったとします(結果的に、資産は11億円になります)。この場合この会社の平均的な税引後利益は1000万円ということになります。そのような会社がこの10億円の借入金を純資産の増加だけで削減していこうと思ったら何年かかるでしょう?10億円÷1000万円=100年です。ちょっと現実的ではないですよね(^-^;
現実的には、両方の折衷案で改善策を立てていくことになります。不要な資産は処分し、アベレージ1000万円の利益をなんとか1200万円、1500万円にしていくことを考えることで、負債と純資産のバランスを改善していくケースが多いと思います。
いかがでしたでしょうか?
数字が苦手でもあんまり関係なかったと思います。
今回は★資産、★負債、★純資産という3つのピースで見ましたが、このかたちがいびつであることは直感的にもお分かりいただけたと思います。
自社の決算書・試算表を見る時も、
今回の様に各ピースの比率でボックスを書いていくと直感的に会社の課題を拾うことができると思います。
そんな風に本来のあるべき理想とのギャップというものが見えてくれば、そこへ向けて改善策を立て実行していくということで会社の経営が改善・安定していきます。
裏を返せば、何かの意思決定をするときには、自社の損益計算書や貸借対照表の6つのピースに無理な歪みが生じないか十分に考えてから意思決定を行うということが大切になるということでもあります。
是非、自社の決算書・試算表をそんな風に眺めて見てください!
ボックスの書き方については、別の機会に書きたいと思います。